鍵の修理屋が皆さんのお役に立てるのは、鍵が壊れたり開かなかった時ばかりではありません。
最近では暗証番号で開けるタイプの鍵も多くありますが、その暗証番号の変更作業も承っています。
多くの会社には業務用金庫があり、現金や小切手や社印の他にも大切な証書等を保管してあります。
今回は台東区にある町工場の社長さん直々に業務用金庫のダイヤル暗証番号を変更したいと相談がありました。
台東区は規模は小さいけれど世界的にも優れた技術を誇る町工場が沢山あり、今回依頼された会社の社長さんも技術分野で有名な方です。
若い頃からコツコツとスキルを積み、会社を設立して社長として苦労をされてきたとのことです。
80歳になったのを機に勇退を決めて、息子さんに会社を譲ることにしたのですが、今まで業務用金庫の暗証番号は誰にも教えていなかったとのことでした。
息子さんに譲るに当たってダイヤル暗証番号を変更したいと考え、弊社に連絡を下さったのです。
朝の7時頃に連絡を頂き、社長と息子さんが事務所に到着すると共に伺いました。
最近では業務用金庫もプッシュ式のところが多いのですが、こちらの金庫は非常に古いタイプでダイヤル暗証番号式でした。
しかしメーカーが大手の「エーコー」で一般的なマニュアルがあることから問題なく変更できると判断しました。
ダイヤル暗証番号の変更は金庫扉の裏側から行う必要があり、所要時間が30分程度かかります。
始業時間は8時からですが、動作確認をする為にも息子さんには立ち合って貰う必要があったので、取り急ぎ作業に入りました。
かなり古い金庫ですが鍵の内部はキレイな状態で、まだしばらく故障の心配はなさそうです。
扉を開けた状態で変更した暗証番号で開くことを確認してから扉を閉めて、ちゃんと開くことを確認しました。
ダイヤル式金庫は開け方が難しいので息子さんにも実際に開けて頂き、無事に開けることができました。
息子さんは「これで自分しか番号を知らないと思うと責任が大きいですね」と笑顔でおっしゃっていました。
作業は8時前に終了したので、社長も息子さんも朝礼に間に合うと喜んでおられました。